トーマダー

「トーマダー」とはカンボジア語で「ふつうの、ありふれた」を意味することばです。「ふつう」で「ありふれた」カンボジアを通して、今まで語られることのなかったこの国の多様な表情を伝えていきたいと思います。

■ネアックター(土地の精霊)のお告げ

ネアックター

▲村に祀られているネアックター(右の石)。左の像は不明/撮影:カンダール州

あるカンボジア人からおもしろい話を聞いた。カンボジア人の多くは仏教を信仰しているが、それとは別にネアックターという存在を信じている。ネアックターとは何かを説明するのは難しいが、ごくおおざっぱに言えば土地の精霊と言える。カンボジア語でネアックは一般的な「人」を、ターは「祖父」を意味することから、祖先の霊を指すとも考えられている。あるカンボジア人によれば、ネアックターには、山のネアックター、川のネアックター、森のネアックター、家のネアックターなど、さまざまな存在があるという。

ところで、カンボジア人の家には、だいたいこのネアックターを祀る祠のようなものがある。日本でいうところの神棚のようなものと考えればいいだろうか。おもしろい話はここからだ。カンボジアではロトのような数字を当てるくじが広く親しまれているが、あるカンボジア人の家庭では、祀っているネアックターが当選番号を告げてくれるという。あるとき、突然ネアックターからの「お告げ」があり、それに従ってくじの番号を買うと当たるというのだ。ただし、その番号を人に教えてはいけないことになっていて、もし他人に言ってしまったら今後いっさい「お告げ」はなくなってしまうそうだ。
見事、当選した暁には、ネアックターにお礼のお供え物をする。その家庭で祀っているネアックターはアサヒビール(カンボジアでも広く販売されている)が好きなので、それをお供えするらしい。このお供え物を忘れてしまっても、ネアックターを怒らせてしまうことになるので、欠かせないという。アサヒビールが好きなネアックターとは、いかなるネアックターなのだろうか……。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://thomada.blog117.fc2.com/tb.php/30-ee6b5b36
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

FC2ブログ