薔薇 現在の閲覧者数: トーマダー 新道路交通法とバイクの運転免許(続)

トーマダー

「トーマダー」とはカンボジア語で「ふつうの、ありふれた」を意味することばです。「ふつう」で「ありふれた」カンボジアを通して、今まで語られることのなかったこの国の多様な表情を伝えていきたいと思います。

新道路交通法とバイクの運転免許(続)

(前回の続き)
自分も受講希望者の一人なので、これ以上、人々が係官をいらつかせるのを眺めていてもあまり意味はないし、こちらに火の粉が飛んできても困る。以前、とある役所で健康診断書の発行を依頼しに行った際、カンボジア国籍を持っていない人間の場合はカンボジア人とは違った段取りを踏むということを知った。すべての公的な手続きがそうなのかどうかは確認していないが、この講習の場合も外国籍の人間の場合は別の道が用意されているかもしれないと思い、自分はカンボジア人ではなく外国人であることを告げ、問い合せてみることにした。
持ってきたパスポートを手にし、係官の逆鱗に触れないよう可能な限り穏やかな口調で話しかける。
「すいません、私はカンボジア人ではありません。外国人の場合はどうすればいいのでしょうか?」
すると係官は「英語は話せるか?」という前置きのあと、落ち着いた口調で説明してくれた。それによると、外国籍の人間の場合は、パスポートのコピー、ビザのページのコピー、証明書用の写真を持ってポンチェントン通り沿い、タックトラー(地名)にある運輸総局(General Department of Transport)へ行き、そこで手続きをするという。また別の役所へ行くのか……。

教習コース

▲運輸総局にある教習コース

さっそく運輸総局へ行く。敷地内には複数の建物が建ち、その裏には自動車の教習コースが備えられている。個人的な印象では、カンボジアの役所には受付がないところが多い。ここもその例外ではなく、講習の手続きがどこでできるのかまったくわからない。こういうときはそれらしきところへ言って人に聞くしかない。入り口の上に「車両登録」と書かれた建物に入り、職員らしき人物に聞いてみた。が、具体的なことはよくわからない様子。
「あっちの裏手にある建物で聞いて見なさい」
言われるがまま、裏手にある建物に行ってみる。すると、教習本や手続きの書類を持ったカンボジア人の姿がある。また、ありがたいことに受付もあったので、そこにいた女性に聞いてみた。

受験申し込み窓口

▲受験の申し込みに来た人たち。

「もう講習は受けたのですか? まだ受けていない? それじゃあ売ることはできません」
いやいや、講習を受けにきたのに受けていないからダメだというのはどういうことだろうか。
「ボレイケイラー地区にあるところで聞いたら、ここに来て手続きをしなさいと言われたんですけど」
「ここではできません。9月にまたボレイケイラー地区のところで講習が再開されるから、9月まで待ってください。ただし、もう無料ではありませんよ、有料です」
どうやらここは講習を終えた人が受験の手続きをするところらしい。この女性の対応から、確かな情報を得られないと判断し、確実な情報を得るため、再度、最初に聞いた人のところへ戻って確認してみることにした。すると今度はこう言う。
「あっち(さっきとは別の建物)に書類課があるので、そこで聞いて見なさい」
てくてくと歩いて書類課へ向かう。入り口のすぐそばに書類を積んだ机があり、そこに座っていた女性に尋ねる。すると、奥に座っている男性のところへ回される。すると男性は次のように説明した。
「まず、交通法規についての教習本を買って自分で勉強をしてください。あなたは日本人なので、交通法規についてはすでに学んでいるだろうから、カンボジアと日本との法規の違いについて学んでください。例えば日本では車両は左側通行ですが、カンボジアでは右側通行ですよね? そういうことを勉強してください。本はここでも売っているし、民間の教習所でも買うことができます。法規を学んだら、運輸総局に来て受験手続きをしてください。手続きに必要なものは、ここで売っている申請書類、パスポートの写真欄とビザのページのコピー、それに4×6cmの顔写真5枚です。書類は9000リエルです。書類の記入でわからないことがあったら私に聞いてくださいね。受験手続きの際、試験日についての案内があります。試験は筆記と口答で、カンボジア語で行われます。試験に受かれば免許証が発行されますが、落ちたらまた受けに来なければなりません」

教習本

▲運輸総局で買った教習本。1冊6000リエル(1.5米ドル)

運輸総局で売っているという教習本を見せてもらった。A5サイズでぱっと見たところ内容は日本の教習所で使っているものとさほど変わらない。交通標識や状況を説明するイラストつきで解説されている。大きな違いはごく一部を除き、すべてカンボジア語で書かれているという点だ。文の表現自体はさほど難しくなさそうだが、やっかいなことに、法規を説明する文章なので、日常生活ではまず使うことのない単語が並んでいる。しばらくは見慣れない単語とのにらめっこが続きそうだ。

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