薔薇 現在の閲覧者数: トーマダー 200807

トーマダー

「トーマダー」とはカンボジア語で「ふつうの、ありふれた」を意味することばです。「ふつう」で「ありふれた」カンボジアを通して、今まで語られることのなかったこの国の多様な表情を伝えていきたいと思います。

■プレアビヘア遺跡、世界遺産登録

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▲プレアビヘア遺跡の世界遺産登録が決まり、歓声を上げる人々(首都プノンペン、セントラルマーケット前)

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▲プレアビヘア遺跡の世界遺産登録を祝い、セントラルマーケットの回りを行進する人々(首都プノンペン)


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■トゥールスレン虐殺博物館には幽霊が出る?

首都プノンペンにあるトゥールスレン虐殺博物館で働くある女性の話。この女性は今まで霊的な存在は信じていなかった。

ある日、この女性が職場で激しい頭痛に襲われた。寝ても薬を飲んでも痛みは一向に収まらない。すると同僚がこう言った。
「トゥールスレンの霊が取り憑いて頭痛を引き起こしているのよ。その霊にお供え物をすればきっと治るはずだわ」
半信半疑であったが、頭痛から逃れたい一心で言われたとおり「病魔」に供え物をし、これ以上自分を苦しめないで欲しいと願った。すると、頭痛はうそのようにぴたりと止まったという。
「今までね、お化けとか幽霊とかそういうものを信じてなかったんだけど、お供え物をしたらウソみたいに頭痛が止まったので、あれ以来、考え方がちょっと変わったのよ」
女性が言う。この女性によると、トゥールスレンで働いている人々はみな霊的な存在を「目撃」したことがあるが、そういった存在は暗黙の了解のようになっていて、誰も口に出したりしない。
「この間も近所の人がね、博物館の入り口前に生えているココヤシの樹上に座っている霊を見たのよ」

近代医学の考え方が入ってくる前、カンボジアでは病気というものは霊的な存在が体内に入ることで引き起こされるものだと考えられてきた。体調が悪くなった場合、近所にいる有能なクルーと呼ばれる呪医に頼み、呪術、またはそれと伝統生薬を組み合せた「治療」を施してもらう。クルーの力が悪霊より強ければ、悪霊を追い払うことができるが、悪霊の力が強大であったり、クルーの能力が低かった場合、悪霊を退けることができず、場合によっては死に至ることもあると考えられてきた。
現在でも地域によってはこのような考え方が残っており、悪霊を退散するための呪術や手法、習慣が伝わっている。

数年前、日本に留学をしていたあるカンボジア人が真顔でこんなことを言っていたのを思い出した。
「ポルポト時代が終わった直後は幽霊がたくさん出たんだ」