薔薇 現在の閲覧者数: トーマダー 20080617

トーマダー

「トーマダー」とはカンボジア語で「ふつうの、ありふれた」を意味することばです。「ふつう」で「ありふれた」カンボジアを通して、今まで語られることのなかったこの国の多様な表情を伝えていきたいと思います。

■ある役人が語るカンボジアの問題点

先日、仕事で首都プノンペンの某役所へ行った。そこでの用事を済ませ、さて帰ろうかと思ったときのこと。ちょっとした話の流れから、対応してくれた役所の職員がカンボジアの問題点について語りだした。
最初は彼の仕事柄、カンボジアの交通事情に関する話だった。彼にはオーストラリアで生活したことのある甥がいて、その甥っ子からオーストラリアの話をいろいろ聞いたことがある。また、メディアや知り合いを通して、日本の交通事情についての情報も得ている。この両国と比べ、カンボジアの状況がいかに悪いかを彼は話し続ける。
その後、こちらが役所の事務手数料についての質問をしたこともあり、カンボジアの公務員事情へと話題が変わった。彼によると、フンセン首相が公務員試験制度を導入するという話をしたらしく、試験制度が実際に始まったとしたら、今後はその試験に合格しなければ公務員として働けなくなる。
「そういう制度が始まったら、経済力のある人、有力者とのコネのある人が優先的に仕事にありつけることになる。公務員試験のために勉強しようとしたって、月収10ドルとか20ドルの人が試験勉強のための本を買ったら、食べ物を買う金がなくなってしまう。
今のカンボジアには金がないから借金し、それが返せなくなって土地を手放さざるを得なくなる人がいるじゃないか。彼らは土地を失い、食べていけず、どうすることもできなくて、路上で座り込んで涙を流している。哀れに思った道行く人が少々の金や食べ物を恵んでいるが、そんなのは一時の救いになるだけであって、根本的な解決にはなっていない。
公務員なんてのは、どこの役所でもどこの部署でも安い月給をカバーするために市民から不法な金を要求するんだ。だから役所の行政サービスの手数料がいくらかなんて言うことはできない。私がいくらと言ったところで、別の職員が請求する「手数料」は違うんだから。
NGOや国際機関が学校を建てるなど、いろいろ支援してくれるが、農業の分野の支援が少ない。まず人々が食べていけるようになることが大事なのだから、農村で農業に対する支援が必要だと思う。明るい将来のためには教育が大切だ、だから今、頑張って勉強しなさいというのは理解できるが、人間、お腹いっぱいにならなければ、明日のことなんて考えられない。
この間、(プノンペンの)ソリヤショッピングセンターに行ったんだけど、勉強そっちのけで遊んでばかりいる若者をたくさん見たよ。諸外国のいいところを学び、それを取り入れていって少しずつ改善していかなければ、この国の未来は明るくないね。
私たちの国カンボジアは問題が多過ぎて、私はどうすればいいのかわからないよ。」

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