薔薇 現在の閲覧者数: トーマダー 200712

トーマダー

「トーマダー」とはカンボジア語で「ふつうの、ありふれた」を意味することばです。「ふつう」で「ありふれた」カンボジアを通して、今まで語られることのなかったこの国の多様な表情を伝えていきたいと思います。

■キックボクサーと農作業

キックボクサー

▲トレーニング中のキックボクサー(撮影:首都プノンペン)

カンボジアの伝統格闘技ケイラープロダル(キックボクシング)の選手たち。あるキックボクシングのジムには、現在、約20人ほどの練習生が在籍しているが、そのうちの大半は農繁期になると故郷へ帰り、稲の収穫を手伝うという。彼らの出身地はバッタンバン州、バンテアイミエンチェイ州、スバイリエン州などさまざまである。農村からプノンペンへやって来て、キックボクシングの練習に励む若者たちはどんな夢を描きながら日々、水田で、ジムで汗を流しているのだろう。

■ヤシ酒売り

タックトナオトチュー

▲サトウヤシ(オオギヤシ)の樹液を発酵させて作るヤシ酒「タックトナオトチュー」を自転車で運んで売る男性(撮影:コンポンチャーム州メモット郡)

サトウヤシ(オオギヤシ)の樹液を発酵させて作るヤシ酒「タックタナオトチュー」は、価格の安いアルコール飲料としてカンボジア人に親しまれている。値段はコップ一杯(150〜180ミリリットル程度)で数百リエル。写真の男性は1杯200リエル(約5.75円、1米ドル=4000リエル=115円として計算)で売る。ビールは安いものでも330ミリリットルで1500リエルくらいするから、嗜好にもよるがヤシ酒はお金のあまりない人でも手に入れやすいアルコール飲料だと言える。なお、一般的に飲まれているヤシ酒のアルコール度数は高くなく、飲んだ実感からするとビールより低い。3%とか4%くらいだろうか。
写真の男性は、村で作ったヤシ酒を10リットル入りのプラスチック製容器に入れ、自転車で町まで運んで売る。10リットル全部売れると5000リエルの売り上げになるらしい。コップ1杯が200リエルなので計算が合わないが、その理由はコップ売りではない別の売り方(やかん売り)もあるからだろうか。
ヤシ酒を売るのは乾季(11月から5月)のみで、
「よく売れますよ。雨季も樹液は採取できますが、ヤシ酒にするにはおいしくないので売らないんです」
と男性が言う。
すぐそばに立つ屋台で焼き鳥などのつまみを買い、用意された席で飲めるようになっている。オープンエアのもとでヤシ酒を飲むのはなかなか気持ちがいい。